最新技術事例

急速な充放電や長期使用による内部抵抗増加、さらに多数セルを搭載した電池パックでの蓄熱などにより、高温環境はリチウムイオン電池の劣化を加速させる。そのため、劣化抑制と高性能・長寿命の維持には、電池周辺の熱マネジメントが重要となる。電池パッケージや構成部材には、耐電解液性、難燃性、絶縁性に加え、熱マネジメントに関わる放熱性・冷却性が求められる。以下に、放熱・冷却に関する主要な評価項目の概要を示す。
▶ リチウムイオン電池の熱マネジメント


自動車、電子機器、建築分野など様々な分野において、製品の性能向上、長寿命化、安全性およびエネルギー効率の確保を目的として、発生する「熱」を適切に制御する「熱マネジメント」が重要となっている。材料設計や評価においては、熱の伝わりやすさを示す熱伝導率に加え、温度変化の広がりを表す熱拡散率を把握することが不可欠である。本資料では代表的な評価手法について概説する。
▶ 熱伝導率測定・熱拡散率測定


市場では、ウェアラブル向け小型セルから車載用大型セルまで、多様な電池が使われている。当社は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池を含む幅広い電池サイズに対し、解体と部材分析に対応する。また、大気非暴露下での解体により、電極・電解液・セパレーターなどの変質を防ぎ、精度の高い評価が可能となる。
▶ 電池解体のラインナップ ―小型から車載用まで、幅広いセルサイズ・電池種類に対応―


CMP(化学機械研磨)プロセスは、半導体製造においてデバイス性能や歩留まりに直結する重要な工程であり、研磨スラリーや研磨パッド、研磨条件などの因子がウェハー表面の仕上がりに大きく影響する。粘弾性測定は、スラリー中の粒子分散状態やパッドのドライ/湿潤状態における弾性率を評価でき、プロセス最適化に有用である。
▶ CMPスラリーおよびCMPパッドの粘弾性評価


コールターカウンターは、電解質溶液中の粒子がアパチャーを通過する際に生じる電気抵抗変化を電圧パルスとして検出し、粒子の体積と数を測定する装置である。パルスの大きさは粒子体積に比例し、発生回数は粒子数に対応する。これにより、精密な粒度分布解析が可能で、粉体特性評価や分散状態の確認など、材料評価に広く利用されている。微細粒子から粗粒まで、正確な粒度分布を取得できるため、品質管理や研究開発に最適な手法である。
▶ コールターカウンター法による精密粒度分布測定


近年、材料は飛躍的な進歩を遂げており、特に半導体分野においては、微細化に伴う高性能化が進んでいる。走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、ナノスケールの微細な構造や物性を非破壊で測定・評価できる顕微鏡であり、ゲート酸化膜の表面粗さ、化学機械研磨(CMP)後の平坦性、レジスト残渣や欠陥評価など、半導体製造工程においてSPM は欠かせない存在である。
▶ 走査型プローブ顕微鏡 (SPM) による半導体材料の微細構造評価


粒子分散液 (スラリー) についてパルスNMR で測定した横緩和時間 (T2) を解析することで、液中での粒子の分散安定性や、粒子と液体の親和性 (濡れ性) を評価できる。これにより、粒子の沈降・凝集の程度や粉体の表面処理の効果、分散不良の原因などを調べることができる。
▶ 粒子の液中分散性・親和性評価 -パルスNMR(TD-NMR)-


PFAS (有機フッ素化合物) 規制強化に伴い、代替材料、撥水加工技術の開発が進んでいる。材料表面の濡れ性評価として接触角測定が用いられているが、静的な指標に過ぎず撥水性の評価としては不十分である。そこで、液滴が表面上で滑動を開始する傾斜角 (滑落角) を測定することで、固体と液体の撥水性 (液滴除去性) をより適切に評価できる。
▶ 滑落角による撥水性評価


材料表面の濡れ性評価として用いられている接触角測定では、固体試料の親水・疎水性評価ができる。また、接触角測定を応用して、表面自由エネルギー、臨界表面張力が評価可能である。
▶ 接触角による材料表面評価


キャピラリーレオメーターで測定される溶融粘度は、溶融した樹脂を一定の流量で細管(キャピラリー)に通過させる際に生じるせん断速度とせん断応力から求められる。また、せん断速度(ピストン速度)を変化させることで、溶融粘度のせん断速度依存性 を評価できる。速度に対する粘度(またはせん断応力)をプロットしたグラフは フローカーブ と呼ばれる。樹脂の溶融粘度は、一般に温度だけでなく、せん断速度やせん断応力といった他のパラメータにも依存することから、プラスチック成形加工時の条件に近い速度や温度で測定することで、成形性を評価するための有用な指標を得ることができる。
▶ 溶融物性評価 -フローカーブ測定-


溶融樹脂の流動性を評価する試験には、MFR (Melt Mass Flow Rate) と MVR (Melt Volume Flow Rate) があり、いずれも成形加工全般の指標として用いられる。MFR 測定では、規定時間で切り取った押出物の重量から、10 分間当たりの押出量( g/10 min) を算出する。MVR 測定では、ピストンが規定距離を移動するのに要する時間から、10 分間当たりの押出体積(cm³/10 min) を算出する。一般的には MFR が広く利用されるが、MVR は充填剤含有量の違う材料の比較や、充填剤を含む熱可塑性樹脂と非充填材との比較において有効である。
▶ 溶融物性評価 -MFR・MVR測定-


溶融樹脂の流動性を評価する試験には、MFR (Melt Mass Flow Rate) と MVR (Melt Volume Flow Rate) があり、いずれも成形加工全般の指標として用いられる。MFR 測定では、規定時間で切り取った押出物の重量から、10 分間当たりの押出量( g/10 min) を算出する。MVR 測定では、ピストンが規定距離を移動するのに要する時間から、10 分間当たりの押出体積(cm³/10 min) を算出する。一般的には MFR が広く利用されるが、MVR は充填剤含有量の違う材料の比較や、充填剤を含む熱可塑性樹脂と非充填材との比較において有効である。
▶ 液体存在下でのスリップ性(摩擦係数)試験


スリップ性試験では、フィルムを試料台に置き、規定の荷重 (滑り片) を滑らせた時の滑り片下面材との静摩擦係数および動摩擦係数を評価できる。
▶ スリップ性(摩擦係数)試験


ブロッキング試験では、重ねたフィルムに荷重を置き、規定時間エージングした後で、フィルム同士の密着度を測定する。ブロッキング性は、フィルム成形における重要な指標の1つである。
▶ ブロッキング性試験


GPCはプラスチックの分子量分布を精密に測定できる分析法で、成形加工性や物性の予測、劣化解析などに不可欠である。
▶ 主なGPC溶媒と対象ポリマー対応表


一般に、合成ポリマーの分子量は分布をもち、短いものから長いものまで様々な分子量のものが混ざった状態にある。
▶ GPCによる合成ポリマーの分子量分布・平均分子量評価


層間せん断試験は、支点間距離を短くして局所的に応力をかけた曲げ試験であり、CFRP など、繊維強化複合材料の積層体における層間剥離強度を評価する場合に有効である。
▶ 層間せん断試験 ILSS : Interlaminar Shear Strength


熱老化前後の積層系繊維強化樹脂において、通常の3点曲げ試験では強化繊維の影響により、熱老化による強度および弾性率の変化が明確に見られない場合がある。一方、層間せん断試験では、積層界面のマトリクス樹脂の状態が強く反映されるため、樹脂の劣化と相関のある結果を得ることができる。
▶ 熱老化させたCF/PP積層品の層間せん断試験評価


従来の動的粘弾性測定(DMA) において、圧縮モードでの測定は測定可能な材料や温度が限定的であった。弊社が保有する「高荷重DMA」を用いることで、万能試験機では不向きな試料や従来の DMA では難しい温度域での圧縮特性を評価することが可能となった。
▶ 高荷重DMAによる各種評価 -圧縮モードでの各種測定への適用事例-


リサイクルポリプロピレン (PP) には、リサイクル過程で異種プラスチックなどの成分が混入する懸念がある。これらの不純物は、材料特性や加工性に影響を及ぼす可能性があるため、回収プラスチックの選別精度向上やリサイクル工程の最適化、さらには材料の適切な利用に向けて、各種成分の種類および含有量を正確に把握することが重要である。
▶ リサイクルポリプロピレン中の異種プラスチック含有量 -1H-NMR-


クロス分別クロマトグラフィー (CFC) とは、昇温溶出分別 (TREF) とゲル浸透クロマトグラフィー (GPC) を組み合わせた分析手法である。TREF カラムで組成 (結晶性) の異なる成分に分離した後、GPCカラムで分子サイズの異なる成分に分離することができる。
▶ PPコンパウンドの組成 × 分子量2次元分布解析 -クロス分別クロマトグラフィー(CFC)-


リサイクルプラスチックには、異種ポリマーや金属、フィラー、使用環境由来物質などの異物が混入する可能性があり、品質低下や成形不良の原因となる。そのため、異物の大きさや量の把握が重要である。X 線CT は、成形品内部の異物の位置や体積を可視化し、分散状態の解析を可能にする。
▶ リサイクルプラスチック中の異物分散状態解析 -X線CT-


プラスチックは通常、溶融状態で成形加工され、その溶融状態における最も基本的な特性が溶融物性である。キャピラリーレオメーターでは、高剪断速度での粘度測定が可能であり、実際の成形時に近い状態での粘度、剪断応力などのデータが取得できる。また、得られた値にラビノビッチ・バーグレー補正* を適用することで、より正確な粘度データを得ることも可能である。
▶ 溶融物性評価


三井化学分析センターは長年、有機合成材料や高分子材料の分野で分析・物性評価に関する技術を培ってきた。これらの技術をメディカル・ヘルスケア分野において積極的に展開し、課題解決をサポートする。
▶ メディカル・ヘルスケア分野における材料の評価


メディカル・ヘルスケア用途材料の多くは体液など水溶液に接する環境で使用されるため、実使用環境における構造や機能の評価が求められる。三井化学分析センターでは含水状態・温湿度制御下における種々の評価手法を有しており、課題解決に向けた最適な評価を提案できる。
▶ 含水状態・水中における材料の形態・物性評価


半導体や医療用途に使用される原料や材料は、製品化された後に微量の不純物金属が製品の不具合を発生させ、また耐久性等にも悪影響を及ぼすため、溶出金属量の低減が求められる。
ICP-MS/MS、ICP-MS およびICP-AES により、溶媒に溶出した微量金属を定性・定量的に評価できる。

▶ 微量金属の溶出試験 -ICP-MS/MS、 ICP-MSおよびICP-AESによるppt~ppmレベルの溶出金属定量-


従来の応力 - ひずみ曲線だけではリサイクルプラスチックや繊維強化プラスチックなどの材料が持つ不均一性の評価は難しい。デジタル画像相関法 (DIC : Digital Image Correlation) とはサンプル表面に塗布したランダムパターンの変化をデジタル画像処理し、物体表面の変位やひずみ、応力の分布を計測、可視化する手法である。局所的なひずみ集中や不均一な変形挙動の解析に適しており、材料の局所的な評価を可能にする。
▶ プラスチックのひずみ分布観察 -デジタル画像相関法-


剛軟性は、フィルムや紙、不織布などの風合い(触感)の指標となる物性の一つである。弊社では、通常のハンドルオメータ法による剛柔性の評価をもとにした独自装置による、温度条件や試験条件を拡張した評価が実施可能である。
▶ プラスチックフィルム、不織布等の剛軟性評価


プラスチック材料を製品化する際、各材料の基本物性を確認することは耐久性、品質保証などの観点から必須となる。また、リサイクル市場の拡大により、バージン品とは物性の異なるリサイクル材料の各種物性試験のニーズも高まっている。弊社では各種成形加工機械および各種物性試験機器を所有しており、成形加工から各種評価を一貫して実施いたします。
▶ プラスチック材料の成形加工


リチウムイオン二次電池は設計された範囲で使用していれば安全であるが、 想定外の事象、例えば使用温度範囲や充放電の規格電圧からの逸脱が起きた場合、あるいは衝撃などの物理的な応力が加わった場合は発熱や発火の危険性が伴う。発熱や発火は正極・負極と電解液の反応性が大きく関係するため、その熱特性の確認は電池の安全性評価に重要である。ここではカルベ式熱量計 C80 と加速速度熱量計 ARC を紹介する。
▶ リチウムイオン二次電池の安全性評価 -C80、ARCによる熱特性-


走査型透過X線顕微鏡 (STXM) は、集光した X線 を用いて微小領域の吸光度を測定する手法で、高い空間分解能で元素情報や化学状態を反映したマッピング像が得られる。また、偏光を使うことで分子の配向情報が得られる。ここでは、STXM の原理と配向性グラファイトシートを分析した事例について紹介する。
▶ 走査型透過X線顕微鏡


試料に対してレーザー光を走査し反射光を検出することで、非接触で表面の形状を三次元計測することができる。三次元データを統計処理することで、凹凸の大きさや表面の粗さなどを定量的に評価できる。
▶ レーザー顕微鏡による非接触三次元計測


レーザー顕微鏡は、非接触で試料の表面形状を測定することができる。本資料では、光沢感や手触りといった表面特性の違いを、表面形状パラメータおよび断面プロファイルを用い考察した。
▶ レーザー顕微鏡による表面形状評価


リサイクルプラスチックは、様々なリサイクルの過程で微量な異種プラスチック、無機物などが混入する。これらが成形時の結晶化挙動に影響を与える可能性がある。超高速 DSC では実成形条件下での結晶化挙動を把握でき、リサイクル品の成形プロセスにおいて、有用な情報を得ることができる。
▶ 超高速DSC(Flash DSC)によるリサイクルプラスチックの結晶化挙動の評価


キャピラリー電気泳動 (CE:Capillary Electrophoresis) は、分離分析法のひとつであり、主として水溶液中のイオン成分の分離分析に用いられる。
▶ キャピラリー電気泳動分析(CE)


食品包装材料、電池の封止材、電子材料など用途により求められるガス透過性(もしくはバリア性)は異なる。また、使用目的や環境条件に合わせた評価が求められる。 ここでは種々のガス透過試験法を紹介する。
▶ ガス透過試験


クロス分別クロマトグラフィー (CFC) とは、昇温溶出分別 (TREF) とゲル浸透クロマトグラフィー (GPC) を組み合わせた分析手法である。TREF カラムで組成 (結晶性) の異なる成分に分離した後、GPC カラムで分子サイズの異なる成分に分離することができる。オレフィン系高分子の 組成× 分子量 2次元分布測定が可能であり、複雑な材料の包括的な特性評価に役立つ。
▶ クロス分別クロマトグラフィー (CFC) によるオレフィン系高分子の組成 × 分子量 2次元分布測定


昇温溶出分別 (TREF) は、オレフィン系高分子を分析対象としたカラム分離法の一種である。クロス分別クロマトグラフ装置に内蔵された TREF カラムにより結晶性の異なる成分が分離される。これを利用し TREF によりオレフィン系高分子の結晶性分布が評価できる。オレフィン系共重合体では結晶性がコモノマー組成に相関しているため、TREF による結晶性分布評価は組成分布の評価と同義である。エチレンと α- オレフィン の共重合体である LLDPE (直鎖状低密度ポリエチレン) の組成分布の評価にTREF が適用されている。
▶ 昇温溶出分別 (TREF) を用いたオレフィン系共重合体の組成分布測定 -クロス分別クロマトグラフィー (CFC)-


熱可塑性エラストマーは、コモノマー組成が高い低結晶性の成分を多く含むため、結晶性分別に基づく昇温溶出分別 (TREF) やクロス分別クロマトグラフィー (CFC) の適用が困難な材料の 1つであった。CFC の測定温度下限を -20 ℃ までを拡張することで、マイナス温度域での組成分布解析が可能となった。
▶ 熱可塑性エラストマーを含むポリオレフィンブレンド物の組成 × 分子量2次元分布解析 -クロス分別クロマトグラフィー(CFC)-


立体規則性はポリマーの分子間相互作用や結晶化の程度の支配因子の一つであり、ポリマーの融点、溶解性、弾性、透明性、耐久性などの物性や機能に密接に関係している。ポリマーの立体規則性やその分布の評価は、ポリマーの重合や改良、物性発現の理解に重要である。立体配置の違いにより CH3 領域のケミカルシフトが異なる NMR 法は、立体規則性の評価に有効である。
▶ 溶液NMR (核磁気共鳴) Solution-state NMR (Nuclear Magnetic Resonance)


立体規則性はポリマーの分子間相互作用や結晶化の程度の支配因子の一つであり、ポリマーの融点、溶解性、弾性、透明性、耐久性などの物性や機能に密接に関係している。ポリマーの立体規則性やその分布の評価は、ポリマーの重合や改良、物性発現の理解に重要である。立体配置の違いにより CH3 領域のケミカルシフトが異なる NMR 法は、立体規則性の評価に有効である。
▶ 13C-NMRによるPP (ポリプロピレン) の立体規則性評価


13C-NMR により、ポリエチレンの分岐構造を定性的・定量的に解析することができる。ポリエチレンの分岐構造は、物性や加工性に大きな影響を与えるため、13C-NMR によりその特徴を把握することは、ポリエチレンの剛性や成形加工性などの諸物性の付与など材料の開発、改良に有用である。
▶ 13C-NMRによる各種ポリエチレン (PE) の分岐構造解析


ポリオレフィンのコモノマー組成や連鎖分布は、剛性、透明性、成形加工性などの諸物性に大きく影響している。13C-NMR 分析(スペクトル解析)により、エチレン / α-オレフィン共重合体のコモノマー種の同定やコモノマー組成、連鎖構造(モノマー連鎖、異種結合)を定量的に解析できる。
▶ 13C-NMRによるエチレン / α-オレフィン共重合体の組成・連鎖構造解析


リサイクルプラスチックは回収からリサイクルされるまでの過程がさまざまであることから、同一の樹脂種であっても選別や洗浄・精製過程で除ききれなかった異種成分が含まれている可能性がある。 異種成分は材料物性低下、製品外観(色、異物)など、トラブルの原因となりうる。本資料では由来の異なるリサイクルポリプロピレン(PP) の成分分析のアプローチについて紹介する。
▶ リサイクルプラスチックの成分分析


真空中で試料に電子線を照射すると、構成元素や化学状態などの情報を含む信号が発生する。これらの信号に対する検出器を搭載した電子顕微鏡は分析電子顕微鏡と呼ばれ、微小領域の評価に広く用いられている。ここでは、特性X線を用いるEDSと非弾性散乱電子を利用するEELSについて紹介する。
▶ 透過電子顕微鏡 (TEM) Transmission Electron Microscope


真空中で試料に電子線を照射すると、構成元素や化学状態などの情報を含む信号が発生する。これらの信号に対する検出器を搭載した電子顕微鏡は分析電子顕微鏡と呼ばれ、微小領域の評価に広く用いられている。ここでは、特性X線を用いるEDSと非弾性散乱電子を利用するEELSについて紹介する。
▶ 分析電子顕微鏡 (AEM) -エネルギー分散型X線分光 (EDS) と電子エネルギー損失分光 (EELS)-


多機能の透過電子顕微鏡 (TEM) には複数の観察モードと検出器が搭載されているため、試料の構成元素や構造に適したものを選択することが重要である。ここでは、TEM 像と走査透過電子顕微鏡 (STEM) 像の種類や特徴を概説する。
▶ 各種TEMおよびSTEM観察法


蛍光は、分子を励起する光子によって引き起こされる発光現象である。蛍光(またはリン光)現象を利用し物質の特性を調べる蛍光分光分析は工業材料 (白色LED、有機EL)、食品、ライフサイエンス、バイオテクノロジーなど多様な分野での研究、開発、品質管理などに用いられる。
▶ 蛍光分光分析


電子スピン共鳴 (ESR) は不対電子を観測対象とする分析手法である。磁場中に置いた試料に一定の周波数のマイクロ波を照射しながら磁場強度を少しずつ変化させていくと、不対電子のゼーマンエネルギー (gβH) とマイクロ波のエネルギー (hν) が一致したときにその不対電子がマイクロ波を吸収し、ESR 信号が観測される。
▶ 電子スピン共鳴 (ESR) Electron Spin Resonance


元素分析とは、試料に含まれる元素の種類、構成比率を定性・定量するための手法である。分析対象元素種・濃度、試料形態等により様々な手法がある。
▶ 元素分析概要


ICP-AES は誘導結合プラズマを励起源とする発光分光分析法である。高温のアルゴンプラズマ中で励起された成分元素が基底状態に戻るときに放射される元素固有の発光線を利用した元素分析法である。
▶ ICP発光分光分析 (ICP-AES) Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy


ICP-MS は誘導結合プラズマをイオン化源とする質量分析法である。高温のアルゴンプラズマ中に試料溶液を導入し元素をイオン化させ、質量分析計により質量電荷比(m/z) に応じて分離、検出する分析手法である。
▶ ICP質量分析 (ICP-MS) Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry


微量金属元素の定量分析に用いられるICP-AES およびICP-MS 測定の対象サンプルは溶液に限定される。従って固体試料の場合は、溶液化のための前処理が必須である。この際、正確な定量結果を得るためには適切な条件で試料を完全溶解させることが前提となる。また、前処理の方法によっては、目的元素の揮散・沈殿等により定量性が損なわれる可能性があるため、試料や目的元素に応じた前処理方法の選択が非常に重要である。
▶ 微量金属分析における前処理 -ICP-AES、ICP-MS-


イオンクロマトグラフィー (IC) は、溶離液を移動相として、イオン交換体などを固定相とした分離カラム内で試料溶液中のイオン種成分を展開溶離させ、電気伝導度検出器によって測定する分析手法である。
▶ イオンクロマトグラフィー (IC) Ion Chromatography


樹脂などの固体試料中のハロゲン:X (ふっ素:F、塩素:Cl、臭素:Br、よう素:I) および硫黄:S の定量分析には、燃焼イオンクロマトグラフィー (Combustion Ion Chromatography:CIC) が適する。
▶ ハロゲン、硫黄の定量分析 -燃焼イオンクロマトグラフィーなど-


リサイクルの過程における異種ポリマーの混入や熱履歴を想定し、PET (ポリエチレンテレフタレート) に微量の PE (ポリエチレン) を混ぜた試料を作製した。 熱物性の変化から、成形加工性について評価した結果を紹介する。
▶ リサイクルを想定した PET の解析 -成形加工性-


リサイクルプラスチック原料には、異種ポリマー、異種金属、フィラー、添加剤、使用環境由来物質など様々な異物源が混在している可能性があり、これらの異物がリサイクルプラスチック使用製品の物性や外観などに悪影響を与えることが懸念される。リサイクル工程での選別、洗浄、フィルター処理などにより異物源が除かれているが、これらの異物源の残存度合などを把握しておくことは重要である。
▶ リサイクルプラスチック中の異物評価


自動車内装材に含まれる添加剤や接着剤が、高温になった車内で揮発して窓ガラス内面に凝集し視界を妨げる。この現象はフォギング (Fogging) と呼ばれる。フォギング試験では、この現象を装置内で再現することで内装材の特性を評価する。
▶ フォギング試験 -自動車内装材の基本物性-


先端にダイヤモンドを使用した圧子で、深さ数 10 nm ~ mm オーダーの押し込み試験を行い、微小領域の定量的な力学(硬さ・弾性率)評価を行う方法
▶ ナノインデンテーションによる表面硬さ・弾性率評価


カンチレバー先端の探針(プローブ) を試料表面に近づけて、両者の間に働く物理的相互作用を検出することで、局所的な情報(表面形状や表面物性)を取得する。
▶ 走査型プローブ顕微鏡 (SPM) -Scanning Probe Microscope-


接着性や光沢、摺動性などの物性を理解するうえで、表面粗さは重要である。弊社では、複数の表面粗さ測定法から、目的に応じて最適な手法を選択することが可能である。本資料では表面粗さ測定法の特徴と測定事例をまとめた。
▶ 表面粗さ測定


高真空下で固体試料に X線 を照射し、発生する光電子のエネルギーの測定により、深さ 数 nm の最表面の元素の種類・組成や化学結合状態を解析する。X-ray Photoelectron Spectroscopy (XPS) や Electron Spectroscopy for Chemical Analysis (ESCA) とも呼ばれる。水素・ヘリウム以外の全元素を 0.1 atom% 程度の感度で検出可能。絶縁物や有機物の測定も可能。最表面や薄膜の解析 (酸化状態、有機物の有無等)、接着不良や表面変色の原因調査等に活用される。
▶ パルスNMRによる分子運動性の評価 -材料の物性・構造を分子運動性の観点から解析する-


高真空下で固体試料に X線 を照射し、発生する光電子のエネルギーの測定により、深さ 数 nm の最表面の元素の種類・組成や化学結合状態を解析する。X-ray Photoelectron Spectroscopy (XPS) や Electron Spectroscopy for Chemical Analysis (ESCA) とも呼ばれる。水素・ヘリウム以外の全元素を 0.1 atom% 程度の感度で検出可能。絶縁物や有機物の測定も可能。最表面や薄膜の解析 (酸化状態、有機物の有無等)、接着不良や表面変色の原因調査等に活用される。
▶ X線光電子分光法 (XPS)


電子線マイクロアナライザー (EPMA) による元素マップは、特定元素の濃度分布を可視化できる有用な手法であるが、濃度差が小さい複数の化合物を元素マップで識別 (色別) することは困難である。一方、複数元素マップを用いた散布図解析では化合物の元素比を反映したクラスタに分離できる。さらにクラスタを色分けした相マップを作成し、各化合物 (相) の分布を可視化することができる。ここでは、SUS種の識別に適用した事例を紹介する。
※EPMA: Electron Probe Micro Analyzer

▶ 相マップ解析によるSUS種の識別 -電子線マイクロアナライザー(EPMA)-


単独のプラスチック材料の物性を改良するため、ポリマーブレンドやポリマーアロイ、多元共重合体などの種々の多成分系プラスチック材料が利用されている。この種の材料では、各成分の混合状態 (相分離構造) を制御することで要求品質に合致した材料が製造されている。ここでは AS樹脂相にゴム相 (ブタジエンゴム) が分散した ABS樹脂 (アクリロニトリル / ブタジエン / スチレン共重合体) の海島構造を透過電子顕微鏡 (TEM) で観察し、島相を画像解析した事例を紹介する。
▶ 多成分系プラスチック材料の相分離構造解析 -島相の面積率・円相当径・アスペクト比・重心間距離-


シャルピーおよびアイゾット衝撃試験では振り子型になったハンマーで試験片に衝撃を与え、 破壊に要したエネルギーからその材料の衝撃強さを求める。一方、高速面衝撃試験では、プラスチック試験片を高速かつ等速の撃芯 (ストライカー) で打ち抜き、その衝撃力と変位量から衝撃波形を取得する。振り子式衝撃試験と比べ、衝撃に関する多くのデータが得られる。
▶ プラスチック材料の衝撃試験


試料に引張り・曲げ・圧縮などの各種変形(ひずみ)を与え、応力とひずみの関係を評価する。弾性率や伸び、降伏点、破断点などが得られ、材料の機械物性の評価に用いられる。
▶ プラスチック材料の引張試験・曲げ試験・圧縮試験


円筒空洞共振器を用いたマイクロ波帯の比誘電率・誘電正接の測定法を紹介する。測定周波数および試料形態に応じ、2種類の測定モード (TE モードおよび TM モード) を選択する。いずれの測定モードにおいても、円筒空洞共振器中の試料の有無に対する共振ピークの共振周波数や線幅の変化を測定することにより、試料の比誘電率・誘電正接を算出できる。
▶ マイクロ波帯 (1 ~ 24 GHz) における誘電特性評価 -比誘電率 (εr)・誘電正接 (tanδ)-


環境制御下でのマイクロ波帯の比誘電率・誘電正接の評価法について紹介する。恒温恒湿槽中で測定した円筒空洞共振器 (TM モード) 中の試料の有無に対する共振ピークの共振周波数や線幅の変化より、誘電率・誘電正接を算出し温湿度依存性を評価できる。(円柱・短冊状試料に加え、粉体や液体、粘土状物質にも対応可能)
▶ 環境制御下での誘電特性評価 -比誘電率 (εr)・誘電正接 (tanδ) / マイクロ波帯 (1 ~ 24 GHz)-


リサイクルプラスチックは回収からリサイクルされるまでの過程がさまざまであることから、同一の樹脂種であっても含有される添加剤成分が異なる。製品用途によっては添加剤成分による物性への影響が出る場合があり、リサイクルプラスチックを原材料の一部として用いるためには含有される添加剤の定性・定量分析が重要である。本資料では由来の異なるリサイクルポリプロピレン (PP) の添加剤分析について紹介する。
▶ リサイクルプラスチックの添加剤分析


リサイクルプラスチックには、リサイクルの過程で混入した異種プラスチックなどのコンタミ成分が含まれている懸念がある。回収プラスチックの選別などのリサイクル工程の改善や材料の使いこなしのためには、リサイクルプラスチックに含まれている各種成分の組成を把握することが重要である。本資料では 1H-NMR によるリサイクルポリエチレン (PE) の組成分析例について紹介する。
▶ リサイクルプラスチック中のポリマー成分組成 -1H-NMR-


磁場勾配ユニットを搭載したパルスNMR(広幅NMR)により、溶液の自己拡散係数を測定できる。ここでは、ゼラチンゲル中の水の自己拡散係数よりゲルの網目構造を推定した事例を紹介する。
▶ パルスNMRによる溶液の自己拡散係数評価


一般的に、界面観察や膜厚測定をするためには、試料の断面を作製する必要がある。白色干渉顕微鏡やレーザー顕微鏡では、透明多層材料の界面観察や膜厚測定を非破壊・非接触で実施できるため※1、高価で貴重なサンプルや断面加工が困難なものにも適用可能である。さらに、断面からでは分からない各界面の広範囲な”面”の形状や分布等の情報を得ることができる。
※1 表層の厚み、下層の素材など、試料構成により定量的な評価が困難な場合がある

▶ 多層フィルムの非破壊界面・膜厚測定






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