分析試料の送り方

1. 樹脂製の容器に接触させない
理由: 樹脂製の袋や容器の表面には、脂肪酸アミドなどのスリップ剤が含まれており、これが異物成分と混ざると解析が困難になります。異物を保持するためには、アルミホイルやガラス板を使用するのが最適です。

2. 粘着テープに貼り付けない
理由: 粘着テープに異物が貼りつくと、採取が困難になります。また、粘着剤が異物に付着すると、解析の妨げになります。異物を固定する必要がある場合は、ガラス板（顕微鏡用のスライドガラスなど）2枚で挟む方法を推奨します。

3. 布や紙でふき取らない
理由: 異物成分が布や紙の繊維に染み込み、採取が難しくなります。溶剤での抽出が可能な場合もありますが、布や紙には様々な有機成分が含まれており、これらが異物と混ざると解析が困難になります。異物が付着したままの状態で母材を提供してください（異物部分に触れないようにカバーを掛けてください）。どうしても異物を採取する必要がある場合は、アルミホイルに転写させたり、金属のへらで掻き取ってガラス板やアルミホイルに載せる方法をお勧めします。母材が平滑な金属の場合、そのまま反射法測定が可能な場合もあります。

4. 異物周辺には触れない
理由: 皮膚からの分泌物（タンパク質、皮脂、NaClなど）が付着すると解析の妨げになります。手袋を着用していても、手袋の種類によっては素手以上の汚染を引き起こす場合がありますので注意が必要です。また、マジックインキでのマーキングも異物近傍は避けてください。溶剤で異物を回収する場合、インキ成分が混ざることがあります。

5. 異物の位置がわかりにくい場合は図示または写真を添付
理由: 文章だけの説明では誤解が生じることがあります。特に情報電子関連の異物はサイズが小さいため、倍率が記載された顕微鏡写真を添付していただくと、見積もり案作成時に助かります。