電子スピン共鳴 (ESR)
Electron Spin Resonance

原理


電子スピン共鳴 (ESR) は不対電子を観測対象とする分析手法である。磁場中に置いた試料に一定の周波数のマイクロ波を照射しながら磁場強度を少しずつ変化させていくと、不対電子のゼーマンエネルギー (gβH) とマイクロ波のエネルギー (hν) が一致したときにその不対電子がマイクロ波を吸収し、ESR 信号が観測される。

ESR 共鳴条件  gβH = hν
 g:当該不対電子の電子状態を反映する固有の値 (g 値)
 β:ボーア磁子、H:磁場強度、h:プランク定数、 ν:マイクロ波の周波数
  *H と ν は実験から得られ、 β と h は自然定数なので g 値 = hν / βH で求められる



ESRスペクトルからわかること


mcanac
g値、A値、分裂パターンから、TEMPOL のニトロキシドラジカルが確認された
TEMPOL (水溶液) のESR スペクトル

・信号の位置 (g値)
 電子状態を反映
・信号の分裂パターン(A値: 超微細結合定数)
 近隣核の情報を反映
・信号強度 (高さ、面積)
 不対電子の数 (電子スピンの数) を反映

mcanac

*g値から不対電子種(ラジカル種)が分かる
 例:炭素ラジカル 2.003
   ニトロキシドラジカル 2.006
*分裂パターンやA値から不対電子周辺の
 構造が分かる

*信号強度から定量ができる
 濃度既知の標準試料との信号強度比較により
 不対電子の濃度が求められる



活用事例


  • 試料中のラジカルの有無、ラジカルの定性・定量、ラジカル量の経時変化

  • 放射線照射前後のポリマー中のラジカル量と経時変化

  • 常磁性金属の定性・定量



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