超高速DSC(Flash DSC)による
リサイクルプラスチックの結晶化挙動の評価

概要

リサイクルプラスチックは、様々なリサイクルの過程で微量な異種プラスチック、無機物などが混入する。これらが成形時の結晶化挙動に影響を与える可能性がある。超高速 DSC では実成形条件下での結晶化挙動を把握でき、リサイクル品の成形プロセスにおいて、有用な情報を得ることができる。

試料

超高速DSCによるPPの結晶化挙動評価
冷却速度 (10 ～ 2000 ℃/sec)

バージン材

バージン材では2 つの結晶形態の形成を確認
・結晶（α晶）
(約 10 ～ 200 ℃/sec)
・安定中間状態 (メゾ相)^※
(約 100 ～ 1000 ℃/sec)
※結晶と非晶の中間

リサイクル品

リサイクル品では冷却速度によらずα晶のみが形成された

• メゾ相の形成は認められない
• バージン材と比較して、結晶化温度が全体的に高い

バージン材とリサイクル品を比較することで結晶形態や結晶化温度の違いが確認できた。
急冷下での結晶化挙動を把握することで、リサイクル品の成形条件や成形時のトラブル解析に役立つ。

検索番号：6c017