エポキシ系CFRP積層体の劣化解析

概要


軽量で高い物性値を有する材料として、エポキシ系CFRP (積層品) が広く用いられている。部品として長期に用いる場合、その劣化挙動の解析は重要であると考えられる。本資料では、熱劣化 (Air下) させたエポキシ系CFRP について、多様な手法を用いて劣化挙動を解析した例を紹介する。



熱劣化促進試験条件


サンプル エポキシ系CFRP (CF 70 % / エポキシ 30 %)
処理温度 (Air 雰囲気) 200 ℃ 230 ℃ 250 ℃
処理時間 48 ~ 408 hr 126 ~ 500 hr 264 hr


分析物性試験


評価項目 装置
樹脂劣化 FT-IR
形状変化 実体顕微鏡、SEM
寸法変化 TMA
評価項目 装置
架橋、硬化度 粘弾性 (Tg、E')
層間せん断強度 ILSS (層間せん断試験)


結果


mcanac

熱劣化促進試験により
  • 酸化や架橋(炭化)と推測されるエポキシ樹脂の構造変化(ミクロな構造の変化)
  • 架橋による収縮由来と推測されるクラック(マクロな構造の変化)が発生
推定されるせん断強度低下要因
  • ミクロな構造の変化によるエポキシ樹脂の強度低下、界面や層間の密着性低下
  • マクロな構造の変化によるクラックを起点とした層間剥離の促進



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