概要
成形時、ポリアミド (以下、PA) 等の結晶性高分子は一定温度に保持した金型内で溶融状態から急冷 (-103 ℃ / sec のオーダー) され、等温結晶化している。
Flash DSC は、実成形時に相当する冷却速度で急冷して、等温結晶化挙動を観測することができる。得られるデータは、成形加工性の評価、処方検討、成形トラブル解析などに活用できる。
等温結晶化測定
Flash DSC は超高速冷却により、冷却中に結晶化を起こさせずに所定温度へ到達できるため、従来型DSC では不可能な広い温度範囲、実成形時の金型温度での測定が可能である
等温結晶化速度の保持温度依存性の評価
等温結晶化測定結果より半結晶化時間を解析し、その逆数を各保持温度に対してプロットした
従来型DSC データでは、実成形時の金型温度での結晶化は想像するしかなかったが、Flash DSC では実成形時に近い条件で結晶化を観測することができる
処方検討や成形トラブル解析などに役立つ