概要
nanoIR は AFM と IR を組合せたナノスケール分解能を実現する分析手法である。高分子材料中の微小異物(数 μm)の組成を特定することができる。
nanoIR手法を使えば微小異物の組成情報のほか、熱特性情報、機械強度、表面粗度の情報も得ることができる。
原理
ZnSeプリズム上に薄切片試料を置きチューナブルパルスレーザーを照射すると、試料が赤外光を吸収して瞬間的な熱膨張が起きる。
この熱膨張の変位をカンチレバーで検出し、各波長での変位をプロットすると、赤外スペクトルに近似したデータとなる。
測定例 高分子材料の白化原因解析
白化したフィルムのSEM観察より粒状物 (数 μm)の存在を確認し、白化原因と推定。
nanoIR分析により、粒状物は混入したPC+PBT樹脂と推察。